皆さんは住民票と戸籍の附票の違いについて説明できますか?
住民票はご自身で一度は取得したことがあるかと思いますが、戸籍の附票については名前を聞いたことがあっても、実物には馴染みがない方が多いかと思います。
そこで今回は住民票と戸籍の附票の違いについて、それぞれの概要を踏まえつつ紹介いたします。
Table of Contents
住民票とは何か
住民票とは居住を記録するものです(住民基本台帳法第5条・第6条)。市区町村が住民について、その人が「住んでいる」ことを証明するものとなります。
現在の住所地を管理するため住民登録をするので、現住所の市町村で取得する必要があります。現住所の前に住民登録をしていた住所があるときは、従前の住所が記載されます
戸籍の附票とは何か
戸籍の附票とはその名の通り、戸籍に付随しているものです(住民基本台帳法第16条)。その戸籍が作られてから、現在もしくはその戸籍から除籍されるまでのすべて の住所が記載されています。
本籍地の市町村と特別区に戸籍の原本と一緒に保管されているため、本籍地での請求が必要となります。
住民票と戸籍の附票の違い
住民票と戸籍の附票の違いについて下表にまとめました。
自治体によって記載内容が異なる場合がありますが、省略されているものについては、申し出があれば記載されます。
住民票 | 戸籍の附票 | |
管理地 | 現住所の市町村 | 本籍地 |
記載内容 | ①現住所 ②世帯主(省略) ③氏名 ④出生年月日 ⑤性別 ⑥続柄(省略) ⑦従前の住所 ⑧現住所の市町村の住民となった年月日 ⑨住民票コード(省略) ⑩本籍(省略) ⑪筆頭者(省略) ⑫住所を定めた年月日と届出年月日 ⑬個人番号(省略) | ①本籍(省略) ②筆頭者(省略) ③氏名 ④住所の変遷 ⑤住所を定めた年月日 (転入届を出した日) ⑥生年月日 ⑦性別 |
請求できる人 | 本人・同世帯の人 | 本人・配偶者・直系血族 |
まとめ
住民票と戸籍の附票の違いについてご理解いただけたでしょうか?
基本的に住民票は現在の住所を証明するものであり、戸籍の附票はその戸籍が作られてから除籍されるまでのすべての住所を証明するものといえます。
戸籍の附票が必要になるのは相続の際や、自動車の名義変更で住民票では足りない事由があった場合などです。必要となったときに請求先を間違えないように留意しましょう。
住民票と戸籍に関連する条文
住民基本台帳法第7条
市町村長は、新たに市町村(特別区を含む。 以下同じ。)の区域内に住所を定めた者その他新たにその市町村の住民基本台帳に記録されるべき者があるときは、次項に定める場合を除き、その者の住民票を作成しなければならない。
住民基本台帳法第16条
市町村長は、その市町村の区域内に本籍を有する者につき、その戸籍を単位として、戸籍の附票を作成しなければならない。
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